「通気性がいいと思ってすのこベッドにしたのに、カビが生えた…」
——実はこの相談、めずらしくありません。
すのこの上のマットレスをめくったら黒い点々が広がっていた。ショックですよね。
先にお伝えしたいのは、カビの原因は「すのこ選びの失敗」ではなく、寝ている間にかいた汗(湿気)の行き場がないこと。
ベッドの下に湿気の逃げ道さえ作ってあげれば、カビはちゃんと防げます。ここを直さない限り、どんなベッドに買い替えてもカビは繰り返します。
そして、カビの発生は睡眠の質の低下にまで繋がります。
先に結論をまとめます。
| カビの正体 | 人は一晩でコップ1杯(約200ml)の汗をかく。その湿気が逃げ場を失うと、すのこでもカビは生える |
|---|---|
| 応急処置 | 白カビ=消毒用エタノール/黒カビ=木部用の塩素系漂白剤→やすり。放置だけはNG |
| 体への影響 | カビ・ダニは鼻づまりの一因→深呼吸できない眠り→口呼吸・肩呼吸→首や肩のこりにつながりやすい |
| 予防の要 | 敷きっぱなしをやめる・湿気の逃げ道を作る・カビに強い木材(檜・桐)を選ぶ |

巡野とも(柔道整復師・国家資格)
施術歴16年・延べ10万人以上の体に向き合ってきた治療家。自身もNELLマットレスを毎晩使用。どのメーカーにも属さない独立した立場で解説しています。詳しいプロフィール
すのこベッドなのにカビが生える3つの原因|床置きと何が違う?

柔道整復師 巡野ともまず「そもそもなぜカビるのか」を押さえましょう。ここが分かると、対処も予防も一本の線でつながります。
人は一晩でコップ1杯(約200ml)の汗をかくと言われます。
この汗は水蒸気としてマットレスや布団を通り抜け、いちばん温度の低い「底面」で結露します。カビは「湿度・温度・栄養(皮脂やホコリ)」の3条件がそろった場所に生えるので、寝具の底面はカビにとって最高の環境なんです。
床置きとすのこ、何が違うのか
布団やマットレスを床に直置きすると、底面の湿気は完全に行き止まりになります。毎晩コップ1杯の湿気が同じ場所に溜まり続ける——直置きがカビの最短ルートと言われるのはこのためです。
すのこは、板のすき間が「湿気の逃げ道」になります。床置きに比べればカビのリスクは大きく下がる。ここまでは事実です。ただし——「すのこなら安心」は誤解です。
次の3条件がそろうと、すのこでもカビは生えます。
- マットレス・布団の敷きっぱなし——すき間があっても、上をふさぎ続ければ湿気は抜けきりません。これが原因の大半です
- 部屋の湿度が高い——梅雨や夏の寝室、結露しやすい窓際・北側の部屋では、逃げ道の先も湿気で飽和します
- カビに弱い素材・塗装——湿気を吸わない素材や、油分の少ない木材は表面に水分が残りやすくなります
つまりカビは「すのこを買ったかどうか」ではなく、敷きっぱなし・部屋の湿気・素材の3点をどう設計するかで決まります。この記事の後半で、その設計をひとつずつお伝えしていきますね。
\ 国産ひのきで「カビ予防寝床」に /
生えたカビの正しい取り方|白カビと黒カビで方法が違う


すでにカビが生えている方は、まずここから。カビの色によって対処が変わります。
白カビ|消毒用エタノールで拭き取る
表面にふわっと付いた白いカビは、初期段階です。
消毒用エタノール(アルコール濃度70〜80%程度)を布やキッチンペーパーに含ませて拭き取り、その後しっかり乾燥させます。天日干しできればベストです。
このとき掃除機で吸ったり、乾いた布で強くこすったりしないでください。胞子を部屋にまき散らすことになります。拭き取りは「湿らせて、押さえるように」が基本です。
黒カビ|木部に使える塩素系漂白剤→残るならやすり
黒い点々になったカビは根が深く、エタノールでは色が残ります。以下の手順で試してみてください。
- 木部に使えるタイプの塩素系漂白剤(またはカビ取り剤)で説明書どおりに処理
- 水拭き→完全乾燥
- それでも残る場合は、紙やすりで表面ごと削り落とす
広範囲に黒カビが回っている場合は、削っても内部に根が残っていることが多く、寝具の真下という場所を考えると買い替えを検討するラインです。無理に使い続けるより、次の章で解説する「カビと眠りの関係」も判断材料にしてください。
なお、マットレス側にもカビが移っている場合の対処は、マットレスのカビ・寿命の注意点でも解説しています。
柔道整復師が気にする「カビと眠りの質」|深呼吸できない夜は肩こりにつながる





カビは「呼吸」を通じて体に影響します。呼吸が浅くなり自律神経の不調、口呼吸メインとなり肩こりなどに繋がる可能性があります。
ここからは、他のカビ記事ではあまり語られない話をさせてください。私がカビを「掃除の問題」で終わらせたくない理由——それは、カビが「呼吸」を通じて体に影響しうるからです。
カビの胞子やそれをエサにするダニは、アレルギー性鼻炎の代表的な原因のひとつとされています。寝床のすぐ下にカビがある状態は、鼻づまりの環境で毎晩6〜8時間呼吸し続けるということです。
鼻づまり→口呼吸→「肩で呼吸する」の連鎖
鼻が詰まると、深くゆっくりした鼻呼吸——いわゆる深呼吸ができません。
すると体は口呼吸に切り替えますが、口呼吸は浅く速い呼吸になりやすく、横隔膜をしっかり使う腹式の呼吸ではなく、首や肩の筋肉(呼吸補助筋)で胸を持ち上げる「肩呼吸」がメインになりやすいんです。
整骨院で首こり・肩こりの患者さんを診ていると、呼吸の浅い方が本当に多い。本来は休ませるべき首や肩の筋肉を、寝ている間まで呼吸のために働かせていたら、朝起きた時点で肩が重いのも不思議ではありません。
寝床の清潔は、遠回りに見えて「肩こり対策」でもある——これが柔道整復師としての実感です。
逆に、香りは「深呼吸したくなる寝室」をつくる
反対に、心地よい木の香りのある空間では、自然と息を深く吸いたくなりませんか?
檜の香り成分(α-ピネンなどのフィトンチッド)には、リラックスにつながるという研究報告があります。嗅覚は自律神経と関わりの深い感覚なので、就寝前にゆったり深呼吸できる香り環境は、深い睡眠に繋がる効果的な手法だと私は考えます。
まとめると——カビは「深呼吸できない夜」を、木の香りは「深呼吸したくなる夜」をつくる。同じ寝床の下でも、環境次第で呼吸は真逆の方向に働きます。だからこそ、次の予防と素材選びが大事なんです。
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二度と生やさない「予防の設計」5つ


取り方より大事なのが、繰り返さないことです。優先度の高い順に5つ。
- 敷きっぱなしをやめる——週に1〜2回、マットレスや布団を壁に立てかけて底面に風を通す。これだけでリスクは大きく下がります
- 朝、すぐ布団をたたまない——起きた直後の寝具は湿気のピーク。掛け布団をめくって30分ほど放湿してから整えるのがおすすめです
- 部屋の湿気を動かす——寝室の換気・除湿機やエアコンの除湿。結露しやすい窓際・壁際から寝床を少し離すのも有効です
- 除湿シートを1枚はさむ——すのことマットレスの間に敷くだけ。干して繰り返し使えるタイプなら手間もかかりません
- カビに強い木材を選ぶ——買い替え・新規購入のタイミングなら、素材から設計できます。次の章で詳しく
ベッドフレーム選びの全体像(高さ・きしみ・耐荷重など)は、マットレスに合うすのこ・フレームの選び方にまとめています。
カビに強い木材はどっち?檜と桐の違い・価格を比較


すのこベッドの木材で代表的なのが檜(ひのき)と桐(きり)です。
どちらも「カビに強い木」として並べて語られますが——柔道整復師として寝床を見てきた立場から、先に私の意見をはっきりお伝えします。
桐は「湿気を防ぐ道具」、檜は「眠りの環境をつくる木」です。
桐の強みは調湿と軽さ。数千円のすのこマットでカビ対策という「守り」を安く確実に果たしてくれます。カビ対策だけが目的なら、桐で十分。
檜はそこに、油分による防菌と深呼吸したくなる香りが加わります。カビを防ぐだけでなく、寝室の空気ごと変える——「眠り」まで変えたい方は檜。これがこの記事の答えです。
なぜそう言えるのか。2つの木の「カビに強い理由」がまったく違うからです。根拠を表で整理します。
| 檜(ひのき) | 桐(きり) | |
|---|---|---|
| カビに強い理由 | 木に含まれる油分(精油成分)が水をはじき、菌に強い。浴槽やまな板に使われてきた木 | 調湿力。湿気を吸うと表面がわずかに膨らんですき間を締め、内部に湿気を通しにくい(桐箪笥の原理) |
| 強度・耐久 | ◎ 硬く長持ち。きしみにくい | ○ 軽いぶん柔らかく、傷はつきやすい |
| 重さ・扱いやすさ | △ 重め(立てかけ・移動はやや大変) | ◎ とても軽い。すのこマットの定番 |
| 香り | ◎ ヒノキの香り(リラックスにつながる研究報告あり)。無塗装材ほど香り、経年で穏やかに | ほぼ無臭(香りが苦手な方には利点) |
| 価格の目安 | すのこマット:5千円〜1万円前後 ベッドフレーム:2万〜4万5千円前後(国産材はやや高め) | すのこマット:2千〜6千円前後(最安の湿気対策) ベッドフレーム:1万〜3万円前後 |
※価格は2026年9月時点の主要通販の相場観。サイズ・産地・付属機能(棚・コンセント・高さ調節)で変わります。
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選び分け|「守りの桐」か「眠りまで変える檜」か
冒頭の結論に戻ります。どちらを選んでも、床置きよりカビ対策としては圧倒的に有利。そのうえで——
- 「守り」で十分=カビ対策を安く確実に→ 桐。数千円のすのこマットから今週始められます。軽くて立てかけも楽です
- 「眠りの環境」までつくりたい=長く使う1台・きしみが嫌・深呼吸したくなる寝室に→ 檜。特に無塗装の国産檜は香りが立ちます
「ひのきベッドのデメリットは?」とよく聞かれますが、正直に言えば重さと価格です。
ただ、寝床の下で10年単位で働く土台と考えると、耐久性と防菌性・香りまで含めた檜のコストパフォーマンスは高いと感じています。
檜すのこベッドはどれを選ぶ?主要4ブランドを比較
「檜にしよう」と決めたあとに迷うのがブランド選びです。通販で買いやすい代表的な5つを、安い順に同じ物差しで並べます(価格はシングル・2026年9月時点の目安)。
| ブランド | 価格目安(S) | 檜の産地明示 | 無塗装(香り) | 日本製 | 保証 |
|---|---|---|---|---|---|
| ニトリ | 19,990円〜 | △ 商品による | △ 商品による | △ 商品による | ○ 店舗サポート |
| タンスのゲン | 21,999円〜 | △ 商品による | △ 商品による | △ 商品による | △ 商品による |
| 源ベッド | 34,990円〜 | ◎ 島根・高知四万十産 | ◎ 無塗装中心 | ◎ 自社工場 | ◎ 3年保証+引き取り |
| アイリスオーヤマ | 42,824円〜 | △ 商品による | △ 商品による | △ 商品による | ○ |
| 家具の里 | 69,000円〜 | ◎ 国産ひのき | ○ 商品による | ◎ 日本製 | ◎ 長期保証あり |
ちなみに「シモンズやフランスベッドにはないの?」と思った方へ——有名ベッドメーカーの主力は布張り・スチール系のフレームで、檜すのこベッドはほぼ扱っていません。檜すのこは、国産の家具・寝具メーカーが得意とする土俵なんです。
- 価格重視(2万円前後)→ ニトリ・タンスのゲン。ただし産地・塗装は商品ごとに要確認
- 品質と価格のバランス(3万円台)→ 源ベッド。産地明示の国産檜×無塗装×専業メーカー直販が3万円台で揃うのはここだけ
- 予算に余裕・こだわりの1台(4万円台〜)→ アイリスオーヤマ(総ヒノキの頑丈系)・家具の里(国産の高級路線)
源ベッドの檜すのこの魅力と、正直なデメリット
この記事の文脈——「カビに強く、深呼吸したくなる寝床の土台」で選ぶなら、私は源ベッドの国産ひのきすのこベッドを第一候補に挙げます。理由は3つです。
- 産地明示の国産檜×無塗装——島根県・高知四万十産と産地を明示し、無塗装仕上げが中心。檜の油分と香りがそのまま活きる、この記事の結論に最も合う仕様です
- 1965年創業のベッド専業メーカー直販——広島の自社工場による日本製。3年保証と、買い替え時の不要ベッド引き取りサービスまで揃います
- 体格・用途で選べる設計の幅——標準タイプに加えて、体格のいい方向けの超頑丈設計、布団を干せる折りたたみ、子どもと寝られる親子ベッドまで。「うちの寝方」に合わせて選べます
一方で、デメリットも正直にお伝えします。
- 低価格帯より1万円以上高い——ニトリ・タンスのゲンの2万円前後と比べると、3万円台半ば〜。産地明示の国産材と専業メーカーの作りに価値を感じるかどうかです
- 実物を試しにくく、返品条件が厳しい——ネット直販が基本で、返品は未開封・7日以内のみ。注文前のサイズ・搬入経路確認が必須です(詳しくは源ベッドの返品条件へ)
- 人気で納期が延びることがある——注文が集中する時期は出荷まで数週間待ちになる場合があります(最新の納期は商品ページで確認を)
まとめると——「とにかく安く」ならニトリ・タンスのゲンで十分。「産地の分かる国産檜で、香りと耐久まで含めて長く使う土台にしたい」なら源ベッド、という選び分けです。
- 島根県・高知四万十産の国産ひのきを使用
- 無塗装仕上げ中心で、檜の香りがそのまま活きる
- 超頑丈型・折りたたみ・親子ベッドなど選べる10種以上
- 1965年創業・広島の自社工場による日本製+3年保証
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不要ベッドの引き取りサービスあり。返品制度あり(未開封・7日以内のみ)
よくある質問
Q. すのこベッドはやめたほうがいいと聞きました。ダメな理由があるのですか?
「やめたほうがいい」と言われる主な理由は、冬にすき間から冷気を感じやすいこと・薄い敷布団だと底つき感やすのこの跡が出ること・製品によってはきしむことです。カビ対策としての通気性は明確なメリットなので、マットレスの厚み(10cm以上が目安)と製品の質を選べば解決できる弱点がほとんどです。
Q. すのこの上にマットレスを敷きっぱなしにしてもいいですか?
敷きっぱなしは、すのこでもカビの最大の原因になります。週1〜2回はマットレスを立てかけて底面に風を通してください。難しい場合は、除湿シートをはさんだうえで、シーズンごとの立てかけだけでも行うことをおすすめします。
Q. 除湿シートは必要ですか?
必須ではありませんが、敷きっぱなしになりがちな方・湿気の多い部屋では費用対効果の高い保険です。数千円で買えて、干せば繰り返し使えるタイプが扱いやすいですよ。
Q. カビが生えたすのこは捨てるしかありませんか?
白カビ〜軽い黒カビなら、エタノール・木部用漂白剤・やすりで対処できます。広範囲の黒カビや、削っても再発する場合は内部に根が残っているサインなので、買い替えをおすすめします。買い替え時は今回の「予防の設計」とあわせて素材から見直すと、同じ失敗を繰り返しません。
まとめ|カビ対策は「掃除」ではなく「寝床の設計」
- 人は一晩でコップ1杯の汗をかく。湿気の逃げ道がなければ、すのこでもカビは生える
- 白カビ=エタノール・黒カビ=木部用漂白剤→やすり。こすって胞子をまき散らさない
- カビ・ダニによる鼻づまりは深呼吸を妨げ、口呼吸・肩呼吸から首こり肩こりの要因になりやすい。寝床の清潔は体のケアでもある
- 予防は「敷きっぱなしをやめる・湿気を動かす・素材で守る」の設計。そして桐は「湿気を防ぐ道具」、檜は「眠りの環境をつくる木」——守りなら桐、眠りまで変えるなら無塗装の国産檜
今夜からできるのは「マットレスを立てかける」こと。そして買い替えのタイミングが来たら、カビに強い木材で寝床の土台から設計してみてください。深呼吸したくなる寝室はづくりを、ベッドフレームから始めてみましょう。








